2020年
12月
29日
火
五行説② 桃太郎
日本中で誰もが知っている昔話の桃太郎。
犬、猿、雉をお供に連れて鬼退治をするお話しです。
この桃太郎のお話しにも陰陽五行説が関連しているのです。
五行、十二支、五果(果物)、五穀(穀物)を時計回りに当てはめていくと
北:五行は水 干支は亥子丑 五果は栗 五穀は大豆
東:五行は木 干支は寅卯辰 五果は李(スモモ)五穀は胡麻
南:五行は火 干支は巳午未 五果は杏(あんず)五穀は麦
西:五行は金 干支は申酉戌 五果は桃 五穀は黍(きび)
となります。
北東の方角、丑寅(うしとら)は悪いもの、鬼が出入りする鬼門と呼ばれその反対側南西 未申(ひつじさる)は鬼の出入りを封じる裏鬼門とされています。
この分類をみると鬼を封じる裏鬼門には金気を持つ申酉戌、桃、黍が属しているのがわかります。
鬼門は木に属するため前回お話しした相克の関係で見ると金は木を切り裂くため桃太郎のお供は申酉戌となったのです。
鬼の姿も鬼門の干支 丑寅に関係しトラ柄のパンツをはいて頭に大きな角が生えている姿をしているんですね。
2020年
12月
29日
火
のどのつまりにご用心
喉のつかえ、締め付けられるような感覚がある、のどに何かが出来ているような違和感がある…
病院でいろいろ調べても特に異常がなくいまいち原因がよくわからない、このような症状を咽喉頭異常感覚症やヒステリ-球とも呼ばれています。
主な原因はストレスが関係していると言われていますが他に自律神経失調症やうつ、のどの過敏なども考えられます。
中医学や漢方では梅核気(ばいかくき)咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)と呼ばれています。
ストレスにより肝の疏泄機能が上手く働かなくなり気が流れず滞ってしまう気滞という状態を引き起こしてしまいます。のどのところで気が動けず詰まった様に感じてしまうのです。
また、肝の異常から脾の働きも悪くなり痰というものを生じてしまいます。この痰も梅核気を引き起こす原因となります。
〈 咽喉頭異常感覚症で使用される漢方薬 〉
半夏厚朴湯(はんげこくぼくとう)気のめぐりを良くしのどのつかえ感や違和感を改善し治療に用いられている漢方薬です。
他にも柴朴湯(さいぼくとう)などがあります。
〈 鍼灸で使用されるツボ 〉
天 突:左右鎖骨内端間の中央陥凹
合 谷:第二中手骨中点外側
豊 隆:前脛骨筋の外縁、膝窩から外くるぶしも中間
太 衝:第1、2中足骨間をなであげた際指が止まるところ
三陰交:内くるぶしから指4本上(示指から小指までの4本)脛骨内縁の後側
足三里:膝のお皿の下から3寸(指4本下)すねのすぐ外側
他にも、気のめぐりを良くする深呼吸や軽い運動でストレスを発散してみてはどうでしょうか。
2020年
12月
29日
火
アイスマン
皆さんアイスマンをご存知でしょうか。アイスマンとは1991年イタリアとオ-ストリア国境付近エッツタ-ル・アルプスの山中で発見された氷漬けのミイラの事です。
このミイラなんと約5300年前に生きてきた人間の男性であることが判明しました。
当時の衣服や生活に使っていたであろう道具なんかも一緒に発見されたそうです。すごい発見ですよね!
このことが鍼灸と何の関係があるのかと思われるでしょうがアイスマンの体には腰や手足15ヵ所ほどのタトゥ-が入れられていました。
タトゥ-の位置を調べていたオ-ストリアの医学博士レオポルトドルファ-医師によって鍼灸に使用するツボの位置とほぼすべてが重なっていることが分かったのです。
アイスマンは腰椎すべり症を患っていたらしくそれを治療していたようです。
タトゥ-の形は三本線、四本線、十字型があり場所は左腰部の胃兪、腎兪、三焦兪、左崑崙、右下肢には陽陵泉、陽輔、曲泉、中封といった感じで現在の腰の痛みや坐骨神経痛に対して使用する経穴とほぼ同じであります。
鍼灸は古代中国が起源とされていますが、それよりもはるか昔に存在していたのかもしれないですね。
2020年
12月
28日
月
七情
七情とは怒・喜・思・憂・悲・驚・恐の7種類の感情の事です。
五臓との結びつきから五志ともいいます。
七情は通常発病因子とはなりませんが突然の強い精神的刺激や長期にわたって一定の精神的刺激を受け続けることにより臓腑気血の失調が惹き起こされてしまいます。
気血の変化は素問挙痛論篇に記されています。
怒則気上:「怒ればすなわち気上がる」損傷する臓腑 肝
怒りすぎると肝の疏泄機能が上手く働かなくなり肝気が上がったま
まになり血は気に随って逆行する。
喜則気緩:「喜べばすなわち気緩む」 損傷する臓腑 心
喜びすぎると血脈が弛緩し心気が緩み神が心に舎れなくなるため
精神を集中できなくなる。
思則気結:「思えばすなわち気結ぶ」 損傷する臓腑 脾
思慮しすぎると気機を鬱結させ心を痛め脾を損う。心が消耗すると
動悸や不眠、脾が弱ると運化作用が弱まり食欲不振が現れる。
非則気消:「悲しめばすなわち気消える」 損傷する臓腑 肺
悲しみすぎれば肺気が弱まり意気消沈するようになる。
恐則気下:「恐れればすなわち気下がる」 損傷する臓腑 腎
恐れすぎると腎気不固になり気が下に漏れて二便の失禁が起こる。
驚則気乱:「驚けばすなわち気乱れる」 損傷する臓腑 腎
あまりにも驚くと腎が変調して気が乱れどうしたらよいかわから
なくなり気が動転する。
七情は各臓腑を損傷させますがその中でも心・肝・脾の働きをよく損傷させる様です。
参考文献 針灸学【基礎篇】 日中共同編集 東洋医学出版社
カラ-版徹底図解 東洋医学のしくみ 新星出版社